あとがき

 

あとがきです。この小説はあとがきを書くほど大仰な作品ではありませんし、また古今東西見渡してみますと、優れた作品ほど文章の中ですべてを語り尽くしているため、後には何も付け加えない傾向があります。

ただ、自分自身小説を作られた方がどういった思考を持って文章を書かれていたのか、非常に興味を持つ人間でして、そうした趣向をお持ちの方は他にもいると思われますので、あえてこうした弁解めいた文章を書かせていただきます。

 

今回自分は初めてパワプロ二次創作というものに挑戦しました。どんなジャンルであれ、小説というものは一筋縄では作れません。「実況パワフルプロ野球」というゲームの長い歴史の中で確立されたキャラクターを動かす。最初は楽な作業になるだろうという気持ちが心のどこかにあったのですが、セリフ一つ書くにしても、原作のイメージから離れすぎていないか、逆に原作のイメージを押し出しすぎてくどい文章になっていないか、悩みは尽きませんでしたし、それらが解消されている自信もありません。ともあれ、いい経験になったことは間違いないです。

当初この小説は、「30歳になった『パワプロ』サクセスモードの人物たち」という点に光を当て、題名も「30歳」というものにしようと構想していました。それを生かすためにあおいの故障、矢部のトレード、主人公の進路といった題材を用意したのですが、最終的にはこうした出来事を中心にした青臭い友情物語に落ち着きました。この原因はひとえに、30年という齢を重ねて少しすすけたサクセスの登場人物たち、といったことを想像し切れなかった自分の力不足にあります。自分はサクセスの登場人物に純粋な一面しか見出すことはできませんでした(そうでないダークサイドにメスを入れ驚異的なパワプロSSを書かれている第一人者もいるのですが)。そうした結果、精神年齢が30歳に届かない中途半端な人物たちが動いてしまう煮え切らない作品になってしまったかもしれません。

そうした面を深く反省する一方、流れる月日と変わらない友情、という自分の構想にあったテーマはそれなりに打ち出せたのではないかと思います。内向的で思いやりのない自分は、これまでの短い人生においてそうした友情をほとんど持てなかったように思います。悲しいことです。

この「岐路」はそうした願いをこめての小説でもあります。パワプロのサクセスモードという確立した世界にそんな私的な感情を持ち込むのはどうかとか、様々な異論もあると思われますが、感想、批評、批判等ありましたら、気軽に連絡&感想掲示板の方までご意見をお寄せください。これからもよろしくお願いします。

 

管理人 ヤーバル

 

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