テイルズオブエターニア(PS)
テイルズシリーズの第3作目であり、メインのものとしてはPS最後の作品。
この作品を元にしたアニメが放映されたり、オンライン版のゲームが作られたりと、ナムコとしてはかなり力を入れている作品のようだ。
1、不可解な世界と明快なストーリー
舞台は「オルバース界面」という境界によって、インフェリア、セレスティアという二つの空間に分断された世界。
……この空間概念が、自分にはよく分からない。地図での移動方式を見る限り、一応それぞれの世界は球体になっているようなのだが、全体図としては二枚の平面世界が合わさったような構造になっているのだ。
中世の地球観のように、「世界の端は滝」という設定だったらまだわかるのだが……たぶん、その辺は気にしたらあかん、気にしたら負けや、ということなのだろう。
ストーリーを概説。
インフェリアで平和に暮らしていた主人公リッドとファラの元に、突然、長い間完全に交流が途絶えていたはずの異界、セレスティアから謎の乗り物が墜落してくる。搭乗者はセレスティアの少女メルディ。
彼女をセレスティアに戻すため、リッドとファラは幼なじみのキールを巻き込みつつ、絶対王権に立てついて死刑に処されそうになりつつ、インフェリアをさまよい歩く。
そうこうするうちに一行は異界セレスティアに到着。ここでも各地の異変を解決しつつ、様々なところを探索するうちに、彼らは真の敵を発見し、世界を崩壊から救うために立ち上がるのだった……という、結構王道的なストーリー。
少しだけ、個人的な見解をはさむ。
自分は、ゲームにおいてあまり奇抜なストーリーを設定する必要はないと思っている。一番肝心なのは、戦闘やムービー、システムなどとの関連性だと思う。それによって、ごくごく平凡なストーリーでも十分に際立ってくるのが、ゲームという表現手法なのだ。
あくまでも奇抜なストーリーを求めたいなら、小説を読めばいい。巷には、人間の英知を超えたかのような、ぶっ飛んだ発想が展開されている作品が無数にある。何もわざわざ、ゲームというジャンルにそれを求める必要はないだろう。
個人的見解終了。
さて、そのように自分は展開の奇抜さを求めてはいないものの、この作品のストーリーについての印象はあまり残っていない。
極めてかっちりとまとまったストーリーだったと思う。
メルディの親がラスボスだ、って言われても……そもそも「親」自体がそのシーン以前にあまり出てこないので、インパクトは薄かった。ただ、その際にメルディの母親が「悪魔に魂を売る」シーンは結構印象に残っている。
2、ボス戦はRPGの肋骨
2Dリアルタイムのアクション戦闘が持ち味のテイルズシリーズだが、この作品で戦闘のスピード感は一気に増したと思う。
一つの要因が、キャラグラフィックの三頭身化。以前までの二頭身では、特に剣術などがあまりパッとしないのだ。
キャラの動き自体も、かなり早くなっている。特技(必殺技)の数も多彩で、キャンセル(通常攻撃から特技、奥義につなげる)のテンポ感もいいので、その辺りも戦闘システムの向上に役立っているのだろう。
自分としては、各ボス戦がかなり印象に残っている。それぞれのボスが特有の戦闘能力を生かしてくるので、きちんとした戦略と素早い操作を持って立ち向かわないと、なかなか勝たせてくれない。
特に「マニア」モード(最上級の難易度)でのシルフ戦に、自分はものすごく苦労させられた記憶がある。
ボス戦が楽しい、というのはRPGにおいて非常に重要な要素だと思う。ボス戦の存在があるからこそ、RPGの物語にはメリハリがついてくるのだ。
そういうわけで、最後まで飽きさせない戦闘をさせてくれるのが、この作品の長所だ。
3、パープルソディ
ミニゲームは、あまり記憶に残っているものがない。
闘技場には過去のキャラクター(ファンタジアのクレス、アーチェ)が現れるなどなかなか楽しませてくれるが、それ以外はあくまでもおまけ要素、と言った感じだ。
前作のディスティニーで大幅に退化した料理システムは、この作品で見事に復活した。
物語の前半では回復アイテム節約のため重宝し、中盤では効率が悪いのであまり使わなくなるが、後半ではまた重要性を取り戻してくる(特に各戦闘力の上昇や、最大HP、MPの上昇など)。
4、ごくごく無難なサウンド
音楽は……全体的に無難で軽い感じの曲が多かった気がする。おそらく桜庭統氏が音楽担当なのだが、スターオーシャンシリーズで光る変拍子や独特の進行などはあまりなかった気がする(その中で、セレスティアの通常戦闘はなかなかハジけててよかったと思う)。
「気がする」ばかりで文を終わっているのは、それだけ印象に残ったものが少ないからだ。
サウンドテストでいろいろと聞いてみても、やはりあまりパッとしない。
ただ、セレスティア鉄道(?)のルイシカ駅の音楽は妙に気に入っている。
なぜだろうか。真相はいまだ不明である(何
5、その他
やりこみ要素としては、あまり熱くなれるものはなかったような気がする。何となく探索して、何となく見つけて、クリア、と言った感じ。
ただ、隠しダンジョンの「ネレイドの迷宮」はかなりハード。自分は結局クリアしていない。
途中にセーブポイントがないのは当然だが、6ステージに分けられているダンジョンを、それぞれのキャラ単独で探索させなければいけないというのが非常にきつい。
術士であるキール、メルディは、機動力のなさから逃げることさえ難しいのだ。そして何とかボスまでたどりつけても、大抵まともな攻撃を出す前にやられてしまう。
時間があれば、もう一度クリアしてみたい……かなぁ……いや、ストレスがたまりそうなのでやめときます。
そういうわけで、評価。
総合評価・・・C:(10)とりあえず、欠点らしい欠点は見当たらない。よくまとまっている作品だと思う。特にRPG初心者の方にお勧めしたい(実際、これを貸してからテイルズにはまった友達もいる)。口当たりのやさしいゲーム。
個人的評価・・・D(8)・・・ただ、やっぱり印象としては薄めのような……
04.1.25記述
記述者:管理人
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