練習開始

 

_____________7月30日____________


この日、浪速商業は決勝を圧倒的な力で破り決勝へと駒を進めた。結局、あそこまで苦しめたのは摂津大附属だけだった。よくやったな俺たち。

そして今日から摂津大学では自由が8月20日まで認められる。さぼるもよし、練習するもよしと言うようなものだ。嵯峨さんが用事があるといい俺を呼び出した。

「おお、長村、早速今日から練習をするぞ」
「えっ、練習?」
「そうだ、ちょっと前にジャイロボール習得のための俺の練習を耐えると言ったじゃないか」
「ああ、そういいましたね」
長村は思い出した。こんなこと忘れるなよというような顔を嵯峨さんはしていた。


「まあいい、まずはお前の球を受けてみる。それでどの点を改善するか決める」

嵯峨さんはそう言いミットを取り出した。

「さあ、思いっきり投げろ」
「それじゃあいきますよ」

長村は懇親のストレートを投げた。凄く速い。バッシーンとミットにボールが入る音がした。

「ふむ、これだけ投げれると2週間ほどで出来そうだな」

嵯峨さんは長村によってきた。

「よーし、お前の改善点は全身の回旋運動から腕をいつの間にかねじりながらボールを投げることだ。もちろん最初は意識して投げるんだ。慣れてくると自然に投げているはずだからな。練習はブルペンで俺がコーチをしてやるから200球投げろ」

「はい」

長村は静かに返事をした。1日200球で2週間続けるのはなぁ・・・・・


長村はブルペンについてからアップを済ませるとすぐに投げ始めた。嵯峨さんが言うには「なかなかいい感じ」らしい。しかし、意識して投げるのは結構難しいことだ。まずは投げ方がどのようなものか、どうねじっているのか、指の感覚などいろいろな指導を受けた。そしてまずは1週間・・・・・

「それでは今までの練習の成果を見たいので投げてくれ長村」

「はいっ」

嵯峨さんはミットを持ってしゃがんだ。あれから1週間どれだけ上達したのか、ブルペンには大野監督と投手のほかの方がいた。

長村は振りかぶりまたも懇親のストレートを投げた。ミットにボールがおさまる音がし、嵯峨さんはボールを見つめてから

「よく一週間でここまで投げれたな。しかし回旋運動の点ではいいもののボールのキレは今見てみるとまだだな。ここが良ければ俺には劣るがジャイロボールは投げれるだろう」

「えっ、ボールのキレ?」
長村は聞いた。この前では切れは十分と言われたが今回は足りないと言われたからだ。

「そうだ、やはり切れの面ではまだだな。まあ1週間もすれば直ると思うが」

長村はそう言われ少しながらショックを受けた。




それから1週間、長村は次のテストでまだまだだがこれだけ投げられればと言われ合格した。今日は退屈しのぎに矢田、松山と藤井寺でファーム公式戦を観に行った。その帰り道

「今日の試合は近鉄が負けたなぁ」
松山は残念そうに言った。矢田も
「まったくや、近鉄、このごろ調子悪なってきよった」

電車の中であまりにも暗くつぶやいていた。そこまで落ち込むこともないと思うが・・・・・

俺たちは天王寺で降りてここから京橋へと帰る道になっている。その帰り道

「○○番ホームに大阪環状線大阪方面行の電車が・・・・・」

長村は聞きなれたアナウンスを聞きながら周りを見ていた。そして見慣れた顔のやつを見た。

「ま、まさかあいつは・・・・・」

ずいぶん向こうのホームに長村の目が行った。

 

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