浪速商業

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿９月１日＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「やべー市バスに乗り遅れる、転校初日遅刻はヤバイな」
長村は家を出る市バスのバス停まで走っていた。その頃
「やべー電車に乗り遅れる、あー飯はもういらね」
松山も慌てていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿関体大浪速商＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

伊達は市バスから降りるとすぐ近くの浪速商まで歩いた。だては１年Ｂ組、校舎は真ん中にある。Ｂ組に入ると教室が騒がしかった。伊達はかばんを下ろすと会話をしている同級生の方へ行った。
「何騒いでいるんだ？誰かが宝くじにでも当たって旅行にでも行った話か？」
「ちゃう、ちゃう、なんでも転校生が来るんやって」
「へぇ、転校生か、で、どんなやつなんだ？」
伊達が聞くと
「ああ、何でも退学になって来るらしいで、でも退学するとは頭が悪いんやろな」
「ふうん、頭が悪いか、で、野球はやっているのか？」
伊達は野球部らしく転校生が野球をやっているか聞いた。
「え、野球ーーー、ああ、やってるんやって」
どうこう話しているうちに担任が来た。伊達は慌てて席に着いた。
担任は出欠を気を聞くと
「えー今日からこの１年Ｂ組に転校生が来ることになった。それでは入って」
伊達は誰かと考えているうちに無意識に外を見ていた。まさかこれから驚くことになるとは思ってなかっただろう。
伊達はとりあえず聞いていた。
「それじゃあ、自己紹介を、あまり長くないように」
「えー長村と言います。今日からこの組に入ることになりました。宜しくお願いします！」
「えっ、長村ァ？」
伊達は立ち上がった。まさか転校生が長村とは思ってもなかったからだろう。しかしあまりにも驚きすぎだ。
「じゃあ、長村君に質問は？」
担任が言うと２、３人の手が挙がった。伊達は驚きのあまり手を挙げることを忘れていた。
「前の学校はどこですか？」
「摂津大学附属高校です」
「何科の何部に所属していましたか？」
「体育科の野球部です」
「もちろん野球部に所属するつもりですか？」
「はい」
長村は答えると用意されていた席に着いた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿放課後＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

伊達は長村のそばによって
「長村、お前なんで浪速商業に来たんだ？摂津大附属は全寮制だから勉強面で退学になることなんて・・・」
「それ以上聞かないでくれ」
長村はあのことをあまり言いたくなかった。伊達は流れに気づき
「え、えーと野球部は奥の専用グランドだから先に行ってくれ」
そういい着替えに行った。

野球部のグランドではすでに松山が居た。長村は
「おーい、松山、お前何組だった？」
「Ｄ組、お前は？」
「Ｂ組、まあ組みは違うがいいか」
長村は話題を変え喋り始めた。
浪速商業野球部はテストはないが退部はテストがある。まあ、ないほうがいいが

「長村と松山か、え〜わしは監督の山井恭司（やまい　きょうじ）や、まあ、気楽にやってな。福山、挨拶せい」
そういうと２メートル近い大きな男が出てきた。
「俺がキャプテンの福山正（ふくやま　ただし）だ。うちの野球部は全寮制ではない。理由はこの野球部のモットーは文武両道、全寮制だと勉強がしにくいだろ、だから全寮制ではない。それから、うちにはスカウト、情報部という部がある。もちろん野球部の部員がスカウトや情報収集に使う。君らは規定で出場できないからこの部に入ってもらう。もちろん春のセンバツが終われば公式戦に出場できるから野球部のほうがメインになる。まあ、それくらいだ」
そういうと練習が始まった。

「おーい、長村、お前、俺と一緒のスカウト部だよな」
「まあ、そうだな、伊達もそこだろ」
「まあな。１年は両方やらなきゃいけないから大変だよ。まあ、もう少しの辛抱だ」
そういうと時間になったので市バスに乗り込んだ。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿翌日＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

長村と松山は全員が見ている中で実力を見せてくれと言われたので見せることになった。
「じゃあ、長村、ポジションは投手だな。摂津大附属と戦ったときに封じられたから覚えてるぞ」
福山さんは長村に全部三振に抑えられていたのでしっかり覚えていた。まあ、気を取り直し長村は伊達に向かって投げた。捕手がいないからやってるらしい。

「シュバッ」
「パァァーン」
ミットにすぐい速さで長村のボールがミットにおさまった。全員驚くほどの速さだった。１４０�q／h前半だろうか。
次に松山が２年生ピッチャーが打撃投手をやって打つことのなった。
「カキィィーン！」
「おーっ」
「キィィィィン！」
「おおーっ」
長村と松山は実力を見せ合同練習に入っていった。
「こりゃあ、あの人以来の逸材だ」
山井監督は驚き、そして満足気な顔をした。

　

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