松山マニュアル

 

______________病院______________

「あーっ、こうなったら橋元、お前のリードだ」
大町さんが何をおもったのか橋元にリードだと言い出した。
「ちょっと待て大町、橋本のことを忘れたのか?」
吉原さんも言い出した。二人ともここは病院なのに大声をだして・・・。
「橋元の事って何ですか?」
長村が吉原さんに聞いた。
「ああ、橋元は実は殆どリードをしていないんだ」
「えっ?リードしてない?」
この言葉に病院に居た全部員は耳を疑った。キャッチャーなのにリードしてない?

「どういうことなんですか?」
「松山、詳細を教えてやろう。こんななことを言うのもなんだが実橋元は伊達の球をとっているだけなんだ。疑問におもうがしょうがない。摂津大附属との試合の後に気づいたんだが3年にキャッチャーが居た。しかし引退するとキャッチャーがいなくなる。そこで俺たちは決めた。橋元をキャッチャーにしよう。当時、チームで2番目の守備の上手さを誇っていた。そのためキャッチャーにしたんだがリードが出来ない。なら投手の球をとるだけにしよう。こういうことでキャッチャー問題を解決した。いや、無理矢理させたんだ」

この話を聞くと全部員は静まり返った。しかし空気が重すぎる。

「じゃ、じゃあ誰かがマニュアルを書いてそれを実行すればいいんじゃないですか?」
青川が言葉を発した。
「青川、物事を考えろ。マニュアル書くにしても元キャッチャーじゃなきゃいけないしキャッチャーのリードは、その場、その場、つまり状況に応じてピッチャーに指示を出すんだろ。マニュアル書いても絶対、その状況になる保証はないんだぞ」
「そ、そうよね、私の考えが甘かったは」
「いや、何もしないよりましじゃないかな」
大町さんが言った。それに続き吉原さん、福山さん、大倉さん、越川、原田さんも賛成した。

「よし、それじゃ、誰が作成するかだ。誰か作成するやつは?」
山井監督が言ったとたん静まり返った。まあ、賛成しても作成できない人もいるだろう。俺もその人たちと同じだ・・・

その時、一人の手が挙がった。全部員の視線が集まる。一体誰だ。

「俺が作ります」
「えっ、松山〜」
誰もが驚いた。一塁、三塁を守れるがキャッチャーを守ったとこは摂津大附属時代から知ってる限りキャッチャーをまもったと子は見ていない。ほんとに作れるのか
「作れるのか松山?」
「はい!ただし、3日間練習を休ませてくれませんか?その間に制作しますので」
「わかった。監督は」
「よし、3日間の制作期間を与える。試合も3日後だからちょうどいい」
そういうと伊達の様子を見てそれぞれの家に帰っていった。

それから3日間松山は授業が終わるなり家に帰ってい行った。しかし、野球部のグラウンドで練習していると「ほんとにできるのかよ」と言う声が聞こえる。無理もないがほんとに大丈夫だろうか。

_____________9月27日____________

「おい、松山はまだ来ないのか」
「家に連絡を取っているが家にはもういないって」
「大変です。メンバー票を提出してくださいって審判の方が・・・」
長村はその声を聞きながら松山を待っていた。

「待ってください〜〜」
「あっ、この声は・・・松山だ!」
松山は大急ぎで走ってきた。その手には150ページほどの本が。
「橋元、ほら」
「・・・・・松山」
橋元は受け取ると松山とがっちりと握手を交わしてグラウンドに向かった。

関西体育大学浪速商ー大阪商陰の試合はまもなくプレイボールだ。

 

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