長村の祖父

 

_____________1月10日____________

「驚いたな。まさか近畿大会優勝校が摂津大附属とは」
「吉原さん、その話はしませんでしたか?」
吉原さんと伊達は雑談をしていた。全治2ヶ月の骨折から復帰して3日目、久しぶりに話すのも悪くはない。
「そういえば長村を見かけないな」
横から大町さんが来て質問した。伊達も吉原もわからない。それを聞いていたのか松山は
「ああ、長村ならロードワークに行って来るといって行きましたよ」
「ふうん、ま、俺たちも頑張ろう。ところで松山、捕手はどうだ?」
「監督の指導もわかりやすいし最近になってくると大分、慣れてきましたよ」
「そうか、まぁ頑張れ」
そういって大町さんたちは素振りを始めた。

「そういや、プロの指導が解禁されたそうじゃないか」
「ああ、そういえばこの前、プロによるシンポジウムがありましたね」
「あ〜あ、うちの高校には誰か指導に来てくれないものか」
松山はマスクとプロテクターをはずしていた。いつの間に・・・
しばらく話しているうちに長村がロードワークから帰ってきた。
「おっ、ロードワークから帰ったか」
「はい、途中でサボらないか監視していた青川の方が先にばてて・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・、長村が速すぎるのよ」
青川が息を切らしてベンチに座った。何週していたんだ?

[長村、シンポジウムが開かれたの知ってるか?」
伊達が尋ねるように言った。長村は思い出そうとしているのか少し考えて
「ああ、ありましたね」
「あっただろ、それでさ、うちの高校からは誰も行ってないから指導が受けられるなら受けたいなって。ほら、一部解禁されただろ」
「そういえばプロOBに限りいけたような」
「だろ、うちにはプロOBの誰かが指導に来てくれないかなって・・・」
「連れてきましょうか?OBを」
「へっ、今なんていった?」
一瞬、大町さん、吉原さん、伊達、松山は我が耳を疑った。
「だからOBを連れてきましょうかって」
「ええ〜っ!」
この発言にはグラウンド中が信じるどころじゃなかった。山井監督が来て
「連れて来てくれないか?」と質問するほどだった。長村は
「4人くらいなら・・・」
「「「「「本当にか?」」」」」」
と疑うほどだった。長村は校舎のほうへ走っていった。

「あのさ今日、予定は?・・・・・・何もない!じゃあ浪速商に来てほしいんだけど?解雇されただろ西村さんも、できれば市原さんと山下さんも・・・・・じゃあ30分くらいで」

「長村、どうだった?」
「30分くらいで来るらしいです」
「そうか、じゃあそれまで練習だ」
興奮している部員たちが待つように練習を始めた。

グラウンドに60歳前後の人70歳くらいの老人に50歳くらいの4人の人ががグラウンドを見た後入ってきた。
「祖父ちゃん、ようやく来てくれたか」
「「「「「祖父ちゃん!?」」」」」
その時、松山が
「あっ、この人OBオールスターで見たことがあります!」
「長村・・・・・ってまさかあの300勝投手の長村三十路さん!?」
「となりは2000本安打達成者の市原茂さんじゃ・・・!」
「ほかにも170セーブの西村昭次郎さんに500盗塁と450本塁打の山下さん!?」
「長村、すごいなおまえ」
大町さんが長村に言った。長村も
「知り合いのOBの方もあと2人くらいいますよ」
この発言にはさらに驚いた。後、誰が


長村三十路、72歳、南海イーグルス、阪急ブレーバズに在籍していた日本球界を代表する投手。18からプロ入り、沢村賞2回、最多勝4回、最優秀防御率3回、最高勝率2回、最多奪三振5回、プロ野球史上わずかに限られた沢村賞を2年連続受賞という快挙を成し遂げた投手。南海イーグルス3連覇に貢献もしている。

市原茂、60歳、大洋フィッシャーズの4番を打っていた打者。野手タイトルの獲得は最高出塁率しかないがチャンスに強い打撃は7回の100打点達成にはもっとも大事だったといえる

山下幸信、58歳、東京シャイワンズに在籍。首位打者2回、本塁打王1回、盗塁王4回の恐怖の1番打者異名をとる打者。犠打も200犠打を達成しており東京シャイワンズには欠かせなかったであろう打者。

西村昭次郎、52歳、南海イーグルス、広島ガーブに在籍。広島2度目のリーグ優勝には欠かせなかったであろう投手。最多セーブを4回受賞。通算セーブ数は178セーブと言う。150kmを超える速球と得意のスライダーで1試合ではないが3試合連続の3連続奪三振、合計で9連続三振の快挙を達成。

果たしてどんな指導が・・・

 

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