優勝候補対決

 

_____________3月22日____________

「さて、今日からしばらく休みか、野球部はそうもいかないけど」
「まったくだ」
長村と松山はグラウンドで少し話をしていた。そこに大町さんが
「おい、長村、松山」
「なんですか?大倉さん?」
「いや、お前らは選抜見ないのかって、今日から開幕だぞ」
「あっ、そういえばそうでしたね、ここで見れるんですか?」
「ああ、うちの野球部の部室にテレビが1台あるからな前のほうの席はほとんど取られてるぞ」
「げっ、急ぐぞ松山」
「そ、そうだな」
長村と松山、それに大倉さんは走ってグラウンドの隅にある部室に急いだ。

「おい、長村、こっちだ」
伊達がテレビの前のほうから呼んだ。橋元も隣に座ってる。
「なんだ?」
「いや、席取っといたから座るかなって、松山も」
「すまん、有難く座らせてもらうよ」
長村たちが座ると同時に試合が始まった橋元が隣にいる。
「福山さん、この試合って鎮西大学附属鎮西高校ー大日本大学附属大日本第三高校ですよね?」
「そうだ、東京代表と熊本代表の対決だ。両方とも30校余の中の優勝候補同士の対決だ」

「さぁ、今年もやってきました第76回選抜高等学校野球大会、初日からの好カードです。この前の夏の大会、延長14回の死闘を繰り広げた鎮西大学附属鎮西高校、対するは圧倒的な打撃戦で東京都の1試合最高得点を叩き出した大日本大学附属大日本第三高の試合です。
解説はおなじみの高山さんとゲスト解説は20年前、甲子園をわかせた現在、大阪府の関西体育大学附属浪速商業の監督をしていらっしゃる山井恭司さんにお越しいただいております。高山さん、山井さん、宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」
このとき浪速商業野球部部室は驚きで溢れかえっていた。
「今日見かけないなと思っていたら・・・解説に行っていたのか」
「どうも少し前から様子がおかしいと思ってたら、甲子園まで」
「まあまあ、とにかく試合を見ましょうよ」
伊達が止めに入って何とか騒ぎは収まった。

「解説は毎日放送の山岸でお届けします。さて、山井さん、この試合、どこがポイントでしょうか?」
「そうですね、鎮西高校が投手力で点を与えず接戦に持ち込みたいですが大日本三高の打線をどこまで抑えるかがポイントでしょう。鎮西高校のエース里山君が得意の高速シンカーで手玉に取ると思いますが一筋縄ではいかない打線、どちらも互角ですね」
「さて、ついにプレイボールがかかりました。午前9時30分、上空は少し風がありますが天気は良好、始まりました」

「シュッーーーーーーーースゥ」
「ストライク!」
「1球目、初球からシンカーで入りました」
「シッーーーーーーーーククククッ」
「ストライク!」
「ほう、変化球主体の投手か」
「ん、何か言いましたか大町さん?」
「いや、ただの独り言だよ」
「シュッーーーーーーーーー」
「バシッ!」
「ストライーク、バッターアウッ!」

「次の2番打者は・・・・・曲者か」
「シュッーーーーーーーーー」
「カンッ」
「おーっと、なんとセーフティバントです、深く守っていた内野はあわてて前進、しかし間に合わない!」
「す、すごい、バントも三塁線、微妙なとこに転がしたぞ!」
「その上、投手では間に合いそうもない、見逃すとこにバントして行って球を完璧に殺した」
「しかし、わざと見逃したようにも見えないこともないが」

「そして、東京都の個人連続安打記録保持者の田部が打席に入ります」

・・・・
・・・・
・・・・

「ツーストライクスリーボールか、走ってくるな」
「ワンアウトですよ」
「間違いない」
「シュッーーーーー」
「おーーーっと、ここで走りました。そして・・・・・三振、キャッチャーそのまま矢のような送球、アウト!アウトです!」
「す、凄い・・・・・見事なプレーだ」
浪速商業ぼ部員は優勝候補の華麗なプレイに目を疑った

 

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