第二十四話 カワサキボールはどうやって?

 

二階堂君「あ、そんなことは置いといてですね。川崎さんのいっていた球のことですけど・・・僕が調べたところによると昔同じ球を甲子園で投げた人がいたらしいですよ。」
俺「あ、俺もそれを後輩から聞きました。」
金村「後輩かよ。」
俺「うるさいよ。」
二階堂君「その人は意識して投げたらしいじゃないですか。」
俺「俺が聞いた話によると・・・そのボールを投げた人も川崎って言う名前なんですけどね。そのボールを投げたときのスタメンキャッチャーが・・・うちの高校の監督なんですよ。」
金村「な、なんだって!?」
二階堂君「なるほど。ならそのボールのことも監督さんに相談してみたらどうです?」
俺「はっ!」
俺は今までこんな簡単なことに気づいていなかった。
俺「な、なるほど。その手があったか。」
金村「気づかなかったのかよ。」
二階堂君「それでですね。僕がいろいろとその当時のことを調べてみたところによりますと、二つのことがわかりました。」
俺「二つのこと!?」
二階堂君「一つ目は何かそのボールを意識して投げるのはコツがあるらしいです。」
俺「コツがあるという話は知ってます。コツ自体は知りませんが・・・」
二階堂君「さすが川崎さん、「インテリ」ですね。」
俺「えっ!?俺って室内装飾品ですか?」
金村「あほ。それは「インテリア」だ。二階堂の言ってるのは「インテリ」。」
俺「へ?「インテリ」と「インテリア」と何かちがうの?」
金村「全然違う。「インテリア」は室内装飾品、室内調節品、だ。「インテリ」は知識人、知識の豊富な人、のことだ(「インテリ」はほかにも意味はあります。ついでに言うなら「インテリ」は「インテリゲンチャ」の略です)。」
俺「うーん・・・よく分からん。」
金村「二階堂みたいなやつだな。」
俺「よく分かった。」
二階堂君「い、いやぁ。そんなでもないですよ。お二人に比べれば僕なんて・・・ねぇ。」
金村「それより「インテリ」と「インテリア」を間違えるようなやつが「インテリ」か?」
俺「うっ・・・」
二階堂君「誰にでも間違いはあるものですよ。気を落とさないでください。そんなことより!二つ目に分かったことです。」
俺「なんだろう・・・」
二階堂君「そのボールは川崎さんのピンチのときだけ出てくるんじゃないんですか?」
俺「ピンチのときだけ・・・」
二階堂君「はい。」
俺「そういわれてみれば、いきなりキャプテンとの戦いだったからかなりピンチだったかも。それに後輩の話にもそんなことが出てきました。」
二階堂君「そうですか。昔のことを調べてみてもそのボールを投げた人もかなりのピンチに追い込まれてからそのボールを投げたと書いてありました。多分川崎さんもかなりのピンチに追い込まれれば・・・」
金村「また投げられる・・・ということか。」
二階堂君「そのとおりです。僕が思うに、ピンチになったら何かが変わるはずです。その変化をとらえられれば・・・あ、僕たちそろそろ帰らなければなりません。」
もう時計は夜の8時を指していた。
二階堂君「この続きはまたにしましょう。あ、僕たち冬休みに及川高校の近くに行く予定ですから、そのとき会いませんか?」
俺「はい!喜んで。」
二階堂君「そうだ。」
そういうと二階堂君はメモとボールペンを取り出し、メモに何か書いた。そのメモを俺に渡した。
二階堂君「これが僕たちが及川高校の近くに行く日付と場所です。」
そこには「1月3日 及川公園」と書かれていた。
金村「1月3日に及川公園前集合だ。分かったな。」
俺「うん。」
二階堂君「川崎さんはそれまでに監督さんに話を聞いてみてください。僕たちはそれまでにコツなどを調べておきます。」
俺「はい。それでは。」
二階堂君「健康に気をつけて。」
金村「じゃあな。」
俺たちは解散した。

金村「しかし、二階堂。おまえも悪だな。」
二階堂君「えっ・・・どういう意味です?」
金村「お前アイツのあのボールのことを調べて攻略法を見つけ出そうという作戦だろ。」
二階堂君「違いますよ!僕はただ川崎さんのためになりたいだけです。」
金村「そうなのか!?俺なら迷わず攻略法を見つけるがな。あ、俺の家ここだから帰るわ。じゃあな。」
二階堂君「それでは。」
金村は家に入っていった。
二階堂君「さて、これから帰ってそのボールのことを調べないと・・・」

 

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