第四十二話 修行5 〜カワサキボール誕生か!?〜

 

俺「?」
二階堂君「やっぱり違いますね。でもなかなかいい感じだと思います。」
俺「ふー。」
二階堂君「カワサキボールの発動条件の1つはこれに間違いないですね。でも、ほかにも発生条件はあるはずです。それを見つけます。」
俺「どうやって?」
二階堂君「百聞は一見にしかず・・・ですよ。あ、ここで使うのは少し間違っているような気がしますね。とにかく川崎さん、ちょっとブルペンに行ってくれませんか?」

俺はブルペンにつくと、二階堂君はみんなを集めてきた。
二階堂君「そうですね。三塁ランナーに占さん、いってください。キャッチャーは峯川さん、バッターは金村さん。」
みんな二階堂君の言ったところに行った。
二階堂君「さて、これでピンチのマウンドの条件が整いました。このピンチのマウンドなら多分カワサキボールも出るでしょう。そのときに僕が川崎さんのフォームがどう変わっているのか・・・見さしてもらいましょう。」
金村「そうだな・・・もしこの場面で川崎が三振を取れたら100円やろう。」
俺「マジで!よし!頑張るぞ!」
金村「ただし!俺にヒットはおろか、凡打を打たれたら・・・お前の100円はもらうぜ。」
俺「え!!!帰りのバス代を除けばこの100円が全財産なのに!」
金村「いくぜ。」
三塁ランナー占が走る用意をした。峯川がかまえる。二階堂君は真剣に俺のほうを見ていた。そして俺は第1球目を投げた。ストレート、見逃しストライク。2球目もストライク。
金村「おい!そろそろ本気で行かしてもらうぜ・・・」
3球目、ストレートだ。しかし金村は今度はスイングしてきた。ボールはバットに当たった!や、やばい!俺の100円が!しかしぎりぎりファールボール。どうやら本当に本気らしいな。
俺「い、いくぜ。」
第4球目、ストレートだ!
「ビュッ!」
100円がかかっている球は、まっすぐ伸びて行った・・・ということはなかった。
俺「よ、よし!!!」
二階堂君「これがカワサキボール!?」
占「おう!」
金村「ば、バカな!これがカワサキボールかっ!?」
そう、この球は不規則にジグザグに曲がっていった。カワサキボール、二階堂君の作戦どうりだった。
「ブンッ!」
「ズバーン!」
金村「・・・なるほどな。で、二階堂!どうしたらカワサキボールが出るか分かったか!?」
二階堂君「・・・ええ。分かりましたよ。」
峯川「で、発動条件とは!?」
二階堂君「なんていうか・・・川崎さん、ピンチのときボール投げるときに指に力が入ってますよ。」
俺「えっ!?・・・そんなつもりはないですけど・・・」
二階堂君「本人が気づかないうちに力が入ってるということも結構あることですよ。あと・・・指と指の間の間隔がピンチじゃないときとピンチのときと、少しちがっています。」
俺「えっ・・・そうですか?」
二階堂君「ま、間隔がちがう・・・といっても1ミリ5ミリ程度のずれですけどね。」
俺「よく気づきますね。」
二階堂君「それでは川崎さん、僕の言うとおりにボールを握ってくれませんか?」
俺「いいですよ。」

俺は二階堂君の指導のもと、指の間隔などを考えて握ってみた。
俺「で、できました。」
二階堂君「ではその握りのまま、ストレートどうぞ。」
俺「いっけー!」
「ビュッ!」
俺の投げた球はジグザグに変化した。
「ズドーン!」
俺「や、や、やったー!俺の魔球、カワサキボールが誕生したぞ!」
峯川「やりましたな!先輩!」
占「やったね!」
こうして魔球、「カワサキボール」が誕生した。

 

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