第四十七話 修行10 〜出口を探せ!〜

 

よく見たら智子さんは着物姿だ。いまどき珍しいなぁ。
俺「・・・よし!出口を探そう。」
智子「そやな。」
俺たちは出口を探し、歩き回った。

約3時間後
俺「ここも壁、ここも壁、ここも壁!あーもう!壁ばっかりだ!」
智子「あれ?あそこに明かりがあるで!」
俺「で、出口だ!」

明かりがあるところに走っていくと、壁にたいまつがかかっていて、床にわらがあんであるところに出た。
俺「あれ?出口じゃない?」
智子「てゆうか私の普段すごしているとこだし・・・」
俺「がーん」

俺「出口なんてなかったぞ。」
俺は水がたまっている池らしきものの前でつぶやいた。
俺「ここから・・・出られるのかなぁ。」
智子「洋介、入ってこれたということは出口もあるということや。」
俺「何でわかるのさ?」
智子「だってこの部屋を作った人はどうしたんよ?ここで死んだわけやないやろ。」
俺「・・・そうだよな。」
俺は机らしきものにもたれながら言った。
智子「まさか骨が出てくるわけじゃないやろ。」
俺「そうだよな!で、これなんだ?」
俺はもたれているものを見た。そこには・・・骸骨が・・・
俺「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
智子「落ち着きい!や、やばいで・・・出口、ないかもしれん・・・」
俺「うっそー!」
俺は周りを見回してみた。なんと骸骨はひとつだけではなく・・・何十、いや、何百もの骨が・・・骸骨が・・・
俺「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
俺は腰を抜かしてポケットから何か出てきて落ちてしまった。
「ぽちゃん!」
落ちたものは池の中に入ってしまった。
俺「あれ?なんか出たぞ?ポケットの中には・・・二階堂君の家の鍵と、100円玉1枚と、ゴーグルが入っているぞ。」
俺100円玉はこのズボンに入れておいたのだ。
俺「で、何で俺ゴーグル入ってるんだろう。まるで今からこの池らしきものを泳げと言わんばかりではないか。あれ?そういえば昨日金村から100円もらったから合計で200円ポケットに入っているはずだが・・・はっ!落としたのは100円玉!それはいかん!ちょっととってくるわ。」
智子「えっ!」
俺は服を脱いだ。カッターシャツ、ズボン、Tシャツ、トランクス・・・を脱ごうとしたときだった。
智子「ちょ、ちょ、ちょっとタイム。それも脱ぐの?」
俺「うん。これ濡れたらこまるから。」
智子「だめ!脱がないで!だめだから!濡れてもいいから!」
俺「ちぇっ!」
俺はゴーグルをつけると池らしきものに飛び込んだ。

池らしきものの中
俺「ばべ?びぶばびべびばば。(←訳 あれ?水はきれいだな。)」
池らしきものの底は石の床になっていた。この通路は壁や床、天井までもが石でできていた。水はかなり透き通っていて、まるでハワイの海のようだ。
俺「ん?ばびぼぶばばぶぼ!ぶびぶぶびぼばびぼぶばばぶんばば。(←訳 ん?骸骨があるぞ!水中にも骸骨があるんだな。)」
おれは無数にある骸骨の中から100円を見つけ出そうとした。

俺「ばべば!ばぶべんびっべ!ばっばー!(←訳 あれは!100円見っけ!やったー!)」
俺は100円を拾うと顔を上げた。そこには大人一人が十分通れそうな穴が開いていた・・・
俺「ばんばぼば!・・・ぼびばびべべぶび!?びぼう。(←訳 なんだこれ!・・・もしかして出口!?行こう。)」

穴を通った先も壁や床が石でできていた。俺は水面に顔を出して、周りを見回した。
俺「出口じゃないようだな。ここも何か部屋になっているようだな。上がってみよう。・・・で、ここ、どうやってあがるんだ?」
俺は泳ぎながらはしごを見つけ、上がってみた。

はしごを上がった先
俺「ここはそんなに広くないな。ん?池みたいなものの反対側にまた池らしきものが。というかこれは堀に水をためたものっぽいな。巨大排水溝といったところだろうか。ま、いいや。智子さんを呼ぼう。」

俺は戻って智子さんにこの先にも部屋があることを知らせた。
智子「えっ!本当?ほないこか。」
俺「泳がないといけないよ。」
智子「それは困ったで。着物濡れてまうわ。」
俺「・・・それはこまったなぁ。脱がないとだめだよぉ。・・・でへへ。」
智子「ちょ、ちょっと!変な想像してるやろ。」
俺「い、いや!そんなことないよ!・・・でもさぁ。どうするの?」
智子「えーい!このまま入ったるわ!」
「じゃぽーん!」
俺「まってよ。」

次の部屋
俺「ここだよ。」
智子「あー・・・着物が水吸って重いわ。」
俺「脱がないからだよぉ。今からでも遅くないよ・・・脱いじゃえば?」
智子「いや。このままで行くわ。」
俺「ちぇっ」
智子「そういえば洋介は普段、なにしてんの?」
俺「ン?俺は野球かなぁ。」
智子「なにそれ?」
俺「えっ!知らないの!」
智子「うん・・・」
俺「んじゃ、ルール教えてあげるよ。」

俺はルールや、俺がプロを目指していることを話した。
智子「んじゃあ洋介はその「ぷろ」とかに目指しているんやね。応援するで。」
俺「ありがとう。」
智子「それじゃ、あの池らしきものの水中にも向こう側にいける穴があるかもしれんな。今度はうちが行くわ。」
智子さんは池に入ろうとした。
智子「もし・・・この向こう側が出口やったら・・・お別れやね。」
俺「?そう・・・かな。」
智子「残念やね。少ししか話せへんかったね。」
俺「・・・そうだね。」
智子「もう・・・会えへんやろうな。」
俺「・・・そんなことないよ。きっとまた会えるさ。」
智子「・・・そうか?」
俺「あ・・・そうだ。俺、この近くの家に遊びに来てるんだけど、そこにこない?ってゆってもそれを決めるのはその家の人(二階堂君)だけどね。ま、彼(二階堂君)なら喜んで入れてくれると思うよ。」
智子「ありがとうな。でも、うちいけへんわ。ごめんな。」
俺「そう?残念だな。あ、俺も入るよ。池。」
智子「そうか?それじゃ、一緒にはいろか。」
俺「そうだね。」
俺たちは水中に入った。やっぱり穴があった。俺たちはそれに入った・・・

穴から出た先
俺「ぷはっ!あれ?ここは床が低い位置にあって水からでやすいな。」
智子「ほんまやね。ってまた部屋に出たな。」
今度はさらに小さい部屋に出た。
俺「ここが出口なのかな?」
智子「あ!あそこ見て。光が漏れてるで。はしごもあるし。」
俺ははしごを上って光が漏れている天井を上に押し上げてみた。
俺「あっ!」
「ギィ・・・」
天井は鈍い音を立てて開いた。
俺「やったー!ここからでられるよ。」
智子「あ、あのな!ちょっと降りてきてくれへん?」
俺「???」
俺は降りて智子さんの話を聞くことにした。
智子「今日は楽しかったで。・・・ってゆうのも変やけどな。あ、これうけとって。」
そういうと智子さんは茶色い布を取り出した。
俺「これは?」
智子「あのな、遠い遠い昔、町人を困らせていた大蛇がおったそうやねん。うちの遠い遠い先祖はその大蛇を倒して、この布をその大蛇の皮からとったらしいねんな。で、この布はうちの家系に代々つたわっとる布やねん。これ、あげるわ。」
俺「へえ。」
智子「これでその「やきゅう」とかいう遊びの道具でも作って。」
俺「うん、もらっとくよ。」
俺は布を受け取った。結構硬いぞ。
智子「・・・それじゃあな。また・・・会おうな。約束やで!」
俺「うん!」
智子さんと俺はがっちりと握手した。

 

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