第五十六話 ナックル

 

森谷は5回をナックルで3者連続三振にした。・・・ま、俺がリードを守りきればいいことだが。プラス思考で。

5回裏
アナウンス「常道大学付属高校、選手の交代をお伝えします。ショート、武田に代わりまして、ピンチヒッター、海藤君」
俺「つ、強いのかな。」
うちのピッチャー芳川「ま、気にせずいこうぜ。」
俺はボールを投げた。ストレートだ。海藤が打った。ボールはスタンド一直線、ホームランだ。
俺「う・・・」
これで3対1だ・・・そのあとは抑えて5回裏終了。

7回の表が終了した。3対2。カーブをとらえられていった。相手の攻撃だ。
アナウンス「4番、ファースト、朝本君」
仙田監督「川崎、そろそろアレ使っていけ。」
俺「はい。」
アレとはカワサキボールのことだ。仙田監督によるとカワサキボールはスタミナの消耗が激しいらしい。だから今までは使ってこなかったのだ。
俺「でりゃあ!」
俺は朝本に向かってカワサキボールを投げた。
「ビュッ!」
朝本「こ、こんなの聞いてないよ!?」
「ズバーン!」
審判「ストラーイク!」
見事、カワサキボールは変化した。

その後、俺は7回8回をカワサキボール中心の投球で無失点に抑えた。ピッチャーはまだ森谷だ。相変わらずヒットは出していない。斉藤君は1打席2打席で力を使い果たしてしまったらしく、3打席と4打席目は三振だった。・・・占は4打席連続三振。

9回表終了。3対2。
アナウンス「2番、ライト、高田君」
俺はピッチングした。ストレートだ。と、ストレートをとらえられてしまった。ライト方向に大きな打球だ。しかしなんとかフェンスに当たってホームランにはならなかった。しかしスリーベースだ。ノーアウト3塁・・・次のバッターは・・・
アナウンス「3番、ショート、海藤君」
海藤はそのままショートの守備についていた。最悪だ。こんなときに海藤とは・・・監督がタイムを取った。みんな集まってきた。
芳川「おい、大丈夫か?」
峯川「相手が海藤とは・・・困りましたなぁ。」
監督は俺がその気なら交代はしない気だ。
斉藤君「3球ともカワサキボールでいったら・・・」
チームメイト江川「うん、それでいい?」
俺「うん。じゃ。」
再びプレイだ。俺は海藤のほうを見た。海藤はバントのかまえをしている。守備はバントシフトだ。
俺が第1球を投げた。それと同時にサードランナーがスタートした。しかし・・・予想外のことになった。なんと海藤はバントの構えをやめ、普通のフォームに戻った。バスターだ。
仙田監督「し、しまった!バスターだ!」
俺はカワサキボールを投げたはずだった・・・が、俺はあろうことか、失投をど真ん中に投げてしまった。海藤はこれ幸いとばかりに思いっきり打ちつけた。
「キーン!」
球は海藤のバットのほぼ中心でとらえられた。しかし打球はセカンドライナーになった。しかしバントシフトのままだ。占は必死でグラブで打球を捕ろうとしたがボールがグラブをはじいてそのまま落ち、ヒットになった。ボールはセンター方向に転がっていった。前進守備の斉藤君がすぐさまボールを取りホームへ送球しようとしたが、サードランナーは投球とともにスタートしていたこともあり、もうサードランナーはホームインしていた。斉藤君は海藤にこれ以上進ませないためにセカンドに送球した。

残りのバッターは三振にしていったが3対3、これで延長戦だ。

 

 

第五十七話へ

及川高校物語メニューに戻る

小説メニューに戻る

ホームに戻る

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送