第六十話 結果

 

俺「はぁ・・・」
俺は負けたせいで一人、宿舎の部屋で落ち込んでいた。
「コンコン」
友子「洋介、監督が「もう帰るぞ」って言ってたよ。帰ろう。気にする必要ないよ。何も洋介だけが悪いわけじゃないんだしさ・・・元気出して。」
ドアの外から友子が話しかけてきた。
俺「はぁ・・・」
友子「な、なんか答えなさいよ。」
俺「はぁ・・・」
友子「ねぇ・・・」
俺「うるさいな・・・落ち込んでるんだよ・・・」
友子「う、うるさいなとは何よ!」
友子が怒鳴りつけた。
友子「せ、せっかく人が慰めてあげてんのに!何も悲しいのはあんただけじゃないんだから!言っておくけどね!今日負けたのはあんたのせいだから!ほかの人を悲しませたんだから!何とかしなさいよ!えぇ!?」
俺「うっ・・・」
友子の声はかなり俺の胸に突き刺さった。
友子「もう来れなかったらどうするの!みんな、勝利を願っていたのに!」
俺「・・・」
そのとき、ドアの外から仙田監督の声がした。多分仙田監督が着たんだろう。
仙田監督「稲垣。やめとけ。」
友子「監督!いいですか!洋介はみんなの・・・みんなの期待を裏切ったんですよ!?」
仙田監督「別に川崎だってやりたくてやったわけじゃないんだ。」
友子「みんなに謝りなさいよ・・・ねぇ!ねぇったら!」
俺「・・・」
仙田監督「稲垣!!!」
仙田監督が一声怒鳴りつけた。
友子「!・・・あ・・・す、すいません・・・」
友子は我に返ったようだ。
友子「なんか・・・ちょっとむかついちゃって・・・ストレスがたまってて・・・洋介にあたっちゃって・・・ご、ごめん!洋介!ほんとに・・・私・・・心にもないことを・・・私が悪い・・・」
俺「・・・別にいいさ・・・俺が打たれたのが悪いんだから・・・」
友子「そ、そんなことない!私が・・・私が悪いの・・・許してもらえないことぐらい分かってるけど・・・」
俺「・・・別にいいって。うん。」
友子「ゆ、許してくれるの?」
俺「うん。」
友子「あ、あ、ありがとう!」
仙田監督「・・・思ったんだが、洋介。なぜトイレでいじけてるんだ?」
俺「・・・へ?ああ・・・これですか。」
俺はトイレに入っていた。トイレの便器に座っていじけていたのだ。
俺「べ、別に・・・理由はないですけど。」
仙田監督「二人とも、行くぞ。そろそろでなければならん。」
俺「はい。」
俺は立ち上がってノブを回した。
「ガチャガチャ・・・」
俺「あ、あれ・・・?」
仙田監督「どうした?」
「ガチャガチャ」
俺「あれれ・・・?あれれれれ?」
友子「どうしたの?」
俺「ドアが・・・開きません。」
仙田監督「・・・」

 

 

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