第六十一話 怪しい

 

高校のグラウンド
占「ついたぞ〜」
俺たちは学校に帰ってきたのだ(帰りはバスだったのではやかった)。
俺「いやぁ、久しぶりだな。グラウンド。」
仙田監督「みんな、聞けー」
斉藤君「挨拶だな。」
仙田監督「みんな、甲子園で疲れただろう。今日は早く帰ってゆっくり休んでほしい。ゆっくりとな・・・」
俺「?」
仙田監督「明日の集合は朝の4時30分だ。」
全員「はーい。・・・えええっ!?ものすごい早朝じゃないですか!?」
仙田監督「これにはわけがある。」
確かに仙田監督の言ったことに意味が無かったことはない。
仙田監督「弁当も、お金もいらん。では、解散!」
全員「ありがとうございました〜」
友子「監督、本当にあれ、やらせるつもりですか?」
仙田監督「ああ。」

帰り道
俺は路地に入った。
俺「ん?」
俺が自動販売機のほうを見ると黒いスーツに黒のズボン、黒のサングラスに黒の帽子・・・という格好の怪しすぎる黒ずくめの男が立っていた。
俺(なんか怖いな。)

しばらく行くと、黒い高級車にもたれかかっているさっきと同じ格好の黒ずくめの男が立っていた。
俺(物騒になったもんだ。)

そのあとも黒ずくめの男は現れた。あるときはタバコを吸い、あるときは電信柱にもたれかかり、あるときは3人集まって立っていた。そして、ようやく家にたどり着いた。
俺「ついたぞ。」
そして俺がドアを開けようとしたときだった。さっきの黒ずくめの男が肩をたたいて聞いてきた。
黒ずくめの男「あなたが川崎洋介様ですね?」
俺「え、え、ええ。そうです。そうですけど・・・」
俺がこういうと黒ずくめの男が指を鳴らした。すると黒ずくめの男たちが1人、2人、3人、4人・・・そして最後には50人近くの黒ずくめの男たちが俺を囲んだ。
黒ずくめの男「おい、こいつが川崎洋介様だそうだ。」
そういうと黒ずくめの男たちはいっせいにスーツのポケットに手を突っ込んだ。
俺(や、やばい!この感じ、きっと拳銃か、ナイフか、スタンガンを取り出すに違いない!逃げるか!?いや、しかしここは抵抗しないほうがいいかも・・・)
そんな事を考えているうちに何かを取り出そうとした。
俺(いいな、1・2・3でパンチだ。先手必勝!1・・・)
俺はカウントダウンした。
俺(2・・・)
男たちが何かを取り出した。
俺「3っ!!!」
男たち「!?」
俺は3と叫ぶとともに俺に1番近い距離にいた男の顔面にパンチを食らわした。男はよろめいて持っていた何かを落とした。
俺「ぐわああああ!」
俺は男たちに向かって体当たりした。しかし、あっさりと捕まえられてしまった。
俺「すいませんでした。俺が悪いんです。許してください!俺を殺したって1円の得にもなりませんよ!命だけは!命だけは!」
そういうと男たちは何かを俺に向けた。
俺「し、死ぬ〜」
男たちが俺に向けたのは・・・紙だった。
俺「ありっ?」
俺は紙を受け取って呼んでみた。
俺「「二台堂グループ 社員 浅間 博(あさまひろし)」・・・「二台堂グループ」といえば、二階堂君のお父さんが「二台堂スポーツ」と一緒にやっている会社じゃないか。つまりこの人たちは・・・二階堂君の・・・」
浅間さん「二階堂様の言いつけでやってまいりました、浅間博です。」
俺は顔を真っ赤にしながら言った。
俺「えっと・・・何のようですか?」
浅間さん「二階堂様が「これをわたしてください」と・・・」
浅間さんは一枚の紙を取り出した。
俺「なになに・・・
「川崎さん、元気ですか?
あの電話をかけたあと、その材料をとりにすぐに二台堂グループの社員の方にそちらへ向かってもらったのですが、途中で大渋滞にあわれたらしく、そちらへ到着したのは3日後となってしまいました。
しかし、3日後、川崎さんの家に川崎さんはいらっしゃられなかったらしいです。
そこで、川崎さんのお母様に材料をいただき、グラブを完成することができました。
そういうことで、再び社員の方にそちらに向かってもらいました。
僕の予想によると今頃帰っているのではないか・・・と思ったからです。
あ、テレビを見て及川高校が負けたからですよ。
川崎さんの高校が負けることを予測していたわけではないです。
あ、嫌な話題をだしてすいませんでした。
もうすぐ僕の高校と鬼神高校との対戦です。
完成したグラブは二台堂グループの方に渡しておくよう、お父さんに伝えておきましたので、二台堂グループの方が持っておられると思います。
それでは、お体にお気をつけて。
by二階堂・・・」
・・・か。」
別の二台堂グループの社員の方「こちらが完成品です。」
社員の方は金色の箱に銀のリボンがついているあざやかな箱を渡してくれた。
浅間さん「それでは、川崎さん。我々は帰ります。いい夢を。グッナイト。」
そういうと社員の皆さんは帰っていった。
俺「あ、どうも。・・・なんかなぁ。」

俺は家に入って箱を開けてみた。
俺「おっ、グラブが入ってるぞ。」
俺は黒色のグラブを取り出して手につけてみた。
俺「すごいな。ぴったりだ。二階堂君、よくサイズが分かったな。」
手紙が入っていた。
「川崎さんへ
グラブ、サイズが合いましたか?
気に入りましたか?
もし、気に入らない点などがあれば電話してください。
あ、それとこの生地、すごいですね。
何の皮か、気になります。
一緒にグラブを作ったときに余った生地が入ってます。
できれば、この生地をいただきたいのですが、よろしいですか?」
と、ここまで読み終えたときだった。
「ピンポーン」
俺「だれだ?」
浅間さん「川崎様!余った生地をいただいてよろしいでしょうか!」
俺「うわあ!」

 

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