第六十三話 トライアスロン・・・走り

 

俺たちはスタートした。1位は斉藤君、2位に俺、3位にチームメイトの赤木・・・といった感じだ。斉藤君と俺の差は6mくらいだ。
斉藤君(フッ、このまま1位はもらったぜ。)
俺たちは走った。
応援の人1「がんばってー!」
応援の人2「かっこいいー!」
斉藤君「えっ、そう?かっこいい?」
俺(ウッ、余裕だな。)
俺たちは走り続けた。昔、納豆を買ったスーパーを抜け、昔、監督におごってもらって原板先輩たちとラーメンを食べたラーメン屋を抜け、そして最後に原板練習をした公園をぬけ・・・
「タッタッタッ」
俺「ハァハァ・・・のどが渇いたな。」
しばらくしたところに給水ポイントらしきものがあり、友子が立っていた。
友子「給水ポイントだよ!」
斉藤君がコップをつかみ、飲んだ。と、そのとたん斉藤君が噴出した。その調子に立ち止まった。
斉藤君「ぶふぇ!な、なんじゃこりゃ!か、辛い!」
俺がコップの中をのぞくと、真っ赤な液体が入っていた。
友子「ふふ、友子特性の「激辛ジュース」だよ。主に唐辛子、豆板醤、キムチ、激辛カレーのルー、からし、わさび、しょうが、めんたいこ、14種類のスパイスなどなど・・・いろいろはいってるよ。」
斉藤君「そ、そんなもん飲めるか!」
俺はちょっとそれを飲んでみた。口の中に辛さがいっきに・・・
俺「う、うえ・・・辛い・・・」
みんな激辛ジュースにはまった。みんな、立ち止まり、水を求めたり、中にはあまりの辛さにリタイアするものが出た。
後輩阿久根「も、もうダメ・・・」
【阿久根、激辛ジュースを飲んでリタイア!】
友子「みんなひどいよ。私が徹夜で作ったのに・・・」
友子が顔に手を当てた。出た、うそ泣き!子供のころから男はこれにだまされる。俺も一度だまされて1000円取られたことがある。女の涙は最強の武器・・・だな。で、ここでその武器を使ってどうするんだ?このジュースを飲ませて何になるんだ?
斉藤君「・・・く、くそ!飲んでやるー!うおおおおお!」
俺「や、やめろ斉藤君!それは自殺行為だ!」
俺が止めるまもなく斉藤君は激辛ジュースを飲み干した。
斉藤君「ぐ、ぐわあ・・・こ、こんなもので負けてたまるかぁ!」
なんと斉藤君は走り出した。こんなん一気飲みしたら倒れる人もいるだろうに。
俺「お、俺も行こう。」
俺たちは飲み干さずにスタートした。
友子「頑張ってねー。」

10分後
しばらく走っていると、選挙カーに乗った仙田監督が現れた。
俺「何やってるんですかー!選挙でもするんですかー!」
大声で聞くと、監督がメガホンで答えた。
仙田監督「エー、ただいまメガホンのテスト中・・・さて、お前らにあやまらなければならないことがある。それは距離のことだ。」
斉藤君「ヒーヒーなんですか?やっぱ、62.195キロは長すぎたんですか?ヒー」
斉藤君がヒーヒー言いながら言った。
仙田監督「違う。計算間違いが発生したのだ。本当は62.195キロではない。本当は・・・300キロだ。」
全員「間違いすぎだよ!」
斉藤君「ヒー」
全員が一斉につっこんだ。それにしてもどうやったら62.195キロと300キロと間違えるんだろう。

俺たちは走った。かなり遠回りして、川原に向かった。コンビニがいっぱいあった。順位はやっぱり斉藤君が1位だ。やがて神社に出た。
「タッタッタッ」
宮本コーチ「みんな、給水ポイントやで!」
俺「給水ポイントだ。」
宮本コーチ「ほい。」
宮本コーチは水を配っていた。その水を斉藤君が飲んだ瞬間、斉藤君が倒れた。
俺「な、なにぃ!?」
水を飲みかけた俺にとってかなり衝撃的な光景だった。
宮本コーチ「フッフッフ・・・この水は5年ほど前にワイの家の洗濯のあまり水を何かに役立つかと思って残しておいたものや。飲め。」
俺「ひ、ひっでー・・・」
それを知らない人たちが倒れていく。
斉藤君「お、俺は・・・もうだめだ。川崎、お前一人でも行ってくれ。」
俺「斉藤君!」
斉藤君「いろいろなことがあったな。俺のことをわ・・・す・・・れ・・・な・・・い・・・で・・・ガクッ。」
俺「斉藤くーん!」
【斉藤、そのほか5名、5年前の洗濯のあまり水を飲んでリタイア!】
俺「俺、きっと走りぬくよ!」
俺はまた走り出した。

川原
「タッタッタッ」
俺「ついに、ついに川原についたぞ!」
もうすでに午後の1時になっていた。
仙田監督「よし!各自、おにぎりを一個取れ。」
おにぎりが置いてあった。
チームメイト田村「やった。俺これ!」
俺はひとつ一番手前のをとった。
俺は思いっきりかぶりついた。それが・・・間違いだった。
俺「うえぇ・・・なんじゃこれ。」
どうやら変なものに中ったのは俺だけではないようだ。
チームメイト「な、なにこれ!げっ!揚げたミミズが入ってる!」
チームメイト「お、俺のは焼いたセミの幼虫が入ってる!」
チームメイト「僕のは煮たイモムシだぁ!」
俺のにはからっと揚げたてんとう虫がいっぱい入ってた。なんか虫を食べた人の話によると、「虫はうまい!」とかいう話だが、このおにぎりは味付けが悪いのだ。見事にこの味付けと虫が、互いのおいしいところを「つぶしあっている」。
俺はこれからのことを考えるとこれを食べないときつい、と思った。そこで、俺はそのおにぎりを口へ放り込んだ。
俺「うっぷ・・・」
かめばかむほどバリバリいった。俺は川へ飛び込んだ。この間にもリタイアする人が出ていたようだ。
【チームメイト3人、おにぎりによってリタイア!】

 

 

第六十四話へ

及川高校物語メニューに戻る

小説メニューに戻る

ホームに戻る

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送