第七話 夏休み

 

今日は待ちに待った夏休み・・・の終わりのころ。ちょうど甲子園が終わって甲子園に出ていた高校が帰ってきたころだ。大分時がたってしまった。占の占いによれば北に行けば福があるらしい。というわけで俺は北側の都市に行ってみた。確かこの近くには力身高校があるはずだ。力身高校は竜王高校に敗れて準優勝だった。力身高校もそろそろ帰ってきているころだろう。で、俺は川原の近くを歩いていた。

「ビュッ!」
「バシッ!」
誰かが練習する音が聞こえてきた。
俺「誰かいるみたいだな。行ってみよう。」

そこには力身高校の野球部ユニフォームを着た人がいた。
俺「すいませーん・・・力身高校の人ですよね。」
その二人はこっちに気づいた。一人は眼鏡をかけていて、一人は金髪だった。
眼鏡をかけた人「おや?誰かいますね・・・」
金髪の人「誰だ?」
俺は二人の顔を見たら思い出した。
俺「あっ!今年の力身高校エース、金髪の金村栄治(かねむらえいじ)と力身高校のエラー数0キャッチャー二階堂孝一(にかいどうこういち)だ!」
二階堂君「僕たちのこと知ってるみたいですね。」
金村「俺たちも有名になったな。」
二階堂君「君の名前は?」
俺「俺、川崎って言います。」
二階堂君「川崎さんですね。よろしくお願いします。」
金村「川崎、か。」
二階堂君はいつも敬語だ(猪狩進みたいな感じ)。金村君は少し偉そうな感じだ(猪狩守みたいな感じ)。二人ともまだ1年生なのにレギュラーをとる天才だ。

二階堂君「川崎さんはどこの高校で野球やってるんですか?」
俺「?あれ?何で俺が高校生で、野球部に入ってるって事わかったんですか?」
金村「二階堂は異様に見る目がいいからな。野球の時だってすごいぜ。投手の投げた球を見れば大体の球速やどの変化球かなどわかってしまう。敵の走者のリードの仕方だけで盗塁しようとしているかどうかわかってしまうんだからな。さらには・・・」
俺「さらには?」
金村「いや、なんでもない。で、高校はどこなんだ?」
俺「あ、別の都市にある及川高校だよ。」
二階堂君「甲子園に出たことはありますか?」
俺「無いです。」
金村(心配する必要なしだな。)
二階堂君「ポジションは・・・ピッチャーですね。」
俺「あたりです・・・」
二階堂君「試合前にこんなこと聞くのも難ですが、決め球とかあるんですか?」
俺「え、ま、まあ。」
金村「ちょっと投げてみろよ。」
俺「それじゃ、行きますよ。」
「ビュッ」
「パスッ」
今日も曲がらなかった。なぜ曲がったんだろう。
金村「これが・・・決め球か?」
俺「いや、違うけど・・・本当だったら曲がるはずなんだけどなぁ。」
二階堂君「毎回・・・曲がらないんですか?」
俺「はい・・・」
二階堂君「ほかの球種とかありますか?」
俺「無いです。ずっとランニングばっかりでしたから。
二階堂君「なら別の球種を憶える必要がありますね。球もそんなに速くありませんし・・・さて、どんな球がいいですかね。」
俺「それじゃあ・・・スライダーを」
二階堂君「わかりました。金村さんはスライダーは投げれませんから・・・僕が教えてあげましょう。」
俺「あれ?二階堂君ってキャッチャーでしょ?」
二階堂君「え!いや、あの・・・」
金村「そ、それはあれだよ。キャッチャーっていうのはピッチャーのことをよく知ってるからな。変化球の指導くらいできるんだよな。」
二階堂君「え、あ、はい。そうです。そうです。」
俺「なんだか怪しいけど・・・まあいいか。教えてください。」
二階堂君「それじゃ、まず・・・」

俺はスライダーを教えてもらった。
俺「なんとなくできそうです。」
二階堂君「それじゃ、投げてみてください。」
俺「いきますよっ!」
「ビュッ」
「ククッ」
「バシィ」
二階堂君「曲がりましたね。あと一球種くらい覚えているといい感じなんですが。」
俺「ありがとうございます!」
こうして俺はスライダーを投げられるようになった。

こうして俺の夏休みは終わった。明日から学校だ。

 

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