第10話 メジャー帰りの男
−何なんだこの人たち・・・。−
「じゃあ、いくぞ!!」
ザザッ!!
シュッ!!
シャー!!!!!!
−さすが、超高速スライダーと言うだけある・・・。
さっきまでのストレートと速さがほとんど変わっていない。
ベンチにいても分かる・・・。まぁ、小松さんのほんとのストレートの球速は分からないけど、あれでも140は軽く出ているはず・・・。−
−これが、飛燕・・・。たしかに、速度はさっきと変わらないが、回転は違う・・・。−
ククッ!!
「ここで変化!!」
真ん中よりやや内側から、アウトコース低目へ曲がっていく「飛燕」にあわせて、神藤は踏み込んで合わせに行く
−これが超高速スライダー「飛燕」、確かに速い。それに凄まじいキレのよさだ。−
「もらったーーー!!」
−神藤は、振りにいってるが・・・、俺の構えている位置にボールが入るのなら・・・!!−
「なっ!?、なに!?さらに外へ。」
ブン!!
ズバーン!!
「ストラーイク!!バッターアウト!!チェンジ!!」
「なんなんだこの球は・・・。」
−凄い・・・。
どんなに速いボールも減速しながらミットの入るものだ、ノビがあると言うのは、それが極端に少ないもの・・・。
普通のスライダーが、今の速度で投じられていたら間違えなく、バットには当たっているはず・・・。
だが、今のスライダーは違っていた・・・。俺には加速しているように見えた。
超高速スライダーとは、ただ速いと言うわけではない。そう、凄くノビのあるスライダーなんだ。−
−ほぅ・・・。赤城のやつこの球を理解したのか、たった1球で・・・。只者じゃないか・・・。−
「神藤。」
「何か?」
「今のままならお前はこの球には、かすることなく終わるぞ。」
「何!?」
そういって、小松はマウンドを降りる
−アマチュア界最高投手と言われている 神藤 明道。
メジャーで剃刀の異名を持つ投手 小松 小五郎。
無名だが、小松のスライダーを初見で見切った、赤城と言う捕手
今年は面白くなりそうだな・・・。それに・・・。−
「うわ〜凄いよ!!小松さん。」
「やっと、俺の凄さが分かったか、坊主!!」
「うんうん、尊敬しちゃうぜ!!教えてよ、あれの投げ方!!」
「だ〜め。教えてやんない。」
「ケチー!!」
−あの高校生・・・たしか・・・。−
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