第11話 勝ち負け


1回の攻撃を終えた2チームだったが、これ以降も一歩も譲らない試合展開を見せた

2回・・・

先頭バッターが内野安打で出塁するも、そのあとゲッツーで結果的に3人で終わる

得点圏にランナーを許すも、要所を締めてきっちり無失点

3回・・・

バントで揺さぶりをかけてみるものの、効果なくやはり三者凡退

神藤に投じた「飛燕」。
おそらく、手を出さないと言うことであろうことは、バッテリーにも分かっていたが
多投する気にはならんと言う小松の指示から、そのほかで攻める
そのためヒットを許すこともあるが、やはり決定打を許さず無失点で切り抜ける


「4回か・・・。
0対0、ヒットは相手が三本に対してこっちは一本。
スコアだけ見ればいい試合してるように見えるんだけど・・・。」

「こっちに出たんは、サード前ボテボテゴロでの内野安打だけやからな。
まぁ、大丈夫や。どんなけ打たれようが、抑えられようが点が入らん限りは、試合展開はそのまんま。違うか?」
「それはそうなんですけどね。」

「心配すんな、俺だって点はやらんさ。第一、勝ち負けどうのの試合じゃねぇんだ。気楽にいきゃあいいんだよ。」

その後、調子を上げ始めるのが遅いのか、回を増すごとに調子が上がってくるのか
小松の球威、球のキレはますます上がっていった

「ストライーク!!バッターアウト!!チェンジ!!」

「やったー!!4回の神藤さんのあとから数えて、5者連続三振だ!!」
「たしかに、小松さんは徐々に調子が上がってきてるな。」

−しかし、この赤城と言う男
もう自分で、サインを出してきっちり飛燕を捕球してやがる
いったい何者なんだ、この男−

「だが、そろそろ点を取ってくれんとちょっとつらいよなぁ・・・。」

チラッ

打撃陣に冷たい視線を投げる小松

「は、ははははっ。さっ、次の回ガンバローーー・・・。」
「おぅ・・・・。」

「それに・・・・、そろそろ坊主にも投げさせてやらんとな。」
「お、俺ですか?」
「そりゃそうだろ、みんなださにゃならん。もちろん本重もな。」
「・・・。」

「そういう意味でも、そろそろ点取ってくれんとなぁ・・・。」

チラッ

「はははっ、みんなガンバロー!!」
「おぅ・・・。」

「さっきからそればっかw」

「次は俺からだ、何とかして見せるさ。」
「頼むで、赤城。いまんとこヒットはお前と神桐のボテボテ内野安打だけやからな。」
「はい。」

<8番キャッチャー、赤城>

「じゃあいってきます。」
「頑張って!!赤城さん。」

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