第12話 赤城対神藤


−何とかしてみるとは言ったものの・・・、さすがにMAX150を越えるストレートに加えての高速変化球・・・。
見切るだけでも難しいのに、さらにキレがいい・・・。いったいどうする・・・。−

−この人は、唯一俺からクリーンヒットを打った人だ。
まぁ、あん時はストレートだったから、変化球なら大丈夫だろう−

−1種の変化球に絞るか・・・。いや、それが来なければ終わりだ。
何が来てもいいように、備えて構える。そして、コンパクトに振りぬく!!これしかない!!!!−

「赤城さん、どうするか決まったみたいですね。」
「おっ、坊主にも分かるのか。」
「一応自分も投手ですからね、打者の顔色はいつもうかがってますよ。」
「ほぅ。で、どんな感じだと思う?」

「おそらく、球種を絞ってはいないと思います。来た球にあわせて打つってところじゃないですかね。」
「なるほどな・・・。」

−この坊主も、いい目を持ってやがる
それに、この場面。
狙っていた球が来るとは限らないし、もし来たとしてヒットが打てても攻略したとは、言えんからな。
やはり、何が来てもいいように備えておくのがこの場面では必要だろうな−

そして、振りかぶった神藤は初球を投じた

−インコース・・・。−

シャー!!

−この回転は、スライダー系統か・・・。−

ククッ!!

−ここから変化!?−

キーン!!!ガシャーン!!!

打った打球はバックネットに当たる・・・

「ファールは真後ろ、タイミングは合ってた。」

−ふぅ・・・。この感じなら何とかいけそうだ・・・。−

−嫌な打ち方をしやがる・・・。さっさと手を出してりゃ・・・−

「内野ゴロだったってのによ!!」

シャー!!!

−次は外・・・−

ククッ!!

「ここからならボールだ!!」

バスッ!!

<ボール!!>

「ふぅ・・・。」

赤城は一度打席をはずし、素振りをした

−初球、二球目といずれにしても、厳しい球だ・・・。
それを苦もなく投げ込んでくる・・・。さすがは、神藤 明道。
もはや、実力はプロ級といったところか・・・。
それを、きっちり見極めてる赤城もキャッチングだけでなくバッティングもなかなかと見た・・・。−

−次は何を投げてくる・・・。
いや、球種を予想してはだめだ。打ち気がはやり詰まらされるのが関の山
落ち着いていかないと・・・。−

「そろそろ、やられてもらうぞ。」

ザザッ!!
シュッ!!

「し、しまった!!」

−これは甘い!!失投だ!!これを逃したらもう次はない!!−

「うぉぉぉぉぉーーー!!!」

カキーン!!!

打った打球は、真っ直ぐにレフトスタンドに飛んでいく

「いけーーー!!はいっちゃえーーーー!!!!!」

コーン!!

打球はレフトスタンド中段に直撃した

「い、いやっほーーーー!!入った入った!!」

赤城はガッツポーズをしながら、ダイヤモンドを一周してベンチに戻ってくる
ハイタッチで出迎えられ、笑みを浮かべていた

「ナイスバッティングや、赤城。」
「ほんとですよ。ナイスです!!赤城さん。」
「あぁ、ありがとう。運が良かったよ、あそこで失投が来るとはね。」
「それも、赤城の集中力の賜物だな。」

<9番、小松に変わりまして代打、本重・・・>

「えっ?」
「行って来い本重!!先制点は取ったし、今なら神藤も動揺してるかもしれん。」
「小松さん・・・。わかりました、やれるだけやってみます。」
「その調子だ。その後は頼むぞ、坊主。」
「はい!!」

「おっ、威勢がいいな。自信満々か?」
「そんなことはないですが、こういうところで投げれるなんてなんかうれしくて。」
「そうか、じゃあ思いっきりやって来い!!」
「はい、赤城さんもよろしくお願いします。」
「あぁ。もう投げ始めておくか?」
「はい。」
「よし、じゃあ室内ブルペンへ行こう。ただ、時間はあまりないから急いで作るぞ。」
「はい!!」

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