第13話 正反対?
煉矢と赤城は室内ブルペンにいた
「あの様子からすると、2、30球ってとこか・・・。」
室内ブルペンに取り付けられた、試合観戦用のテレビから様子を見ていた赤城は言った
「アップはしてますし、それぐらいで十分ですよ。」
左手にはめたグローブのポケットを何度かボールでたたきながら煉矢は言った
「よし、じゃあ早速始めるぞ。
お前の持ち球を教えてくれ!!」
「えっと・・・、真っ直ぐとカーブ、スライダーそれと、落ち気味のシュートです。」
「落ち気味のシュート?シンカーとかとは違うのか?」
「うーん・・・。とりあえず投げてみますよ。」
「そうだな、プロテクターもつけてるし。」
そういって、構える
「じゃあ、いきますよ。」
ゆったりしたフォーム・・・
大きな踏み込み・・・
早い腰の振り・・・
そこから、その球は投じられた・・・
シュー!!!
−これが、落ち気味のシュート・・・。普通のシュートと何か違いがあるのか・・・。−
ククッ!!
−やはり、シュート!?何も違わない!!−
そう思った赤城は、普通のシュート対する反応と同じく、少しミットを左に動かした
フッ・・・。
−なにっ!?ここで少し落ちるだと!?−
パーン!!
「ふぅ・・・。」
微妙な変化に驚いていたが、何とかボールはミットに収まっていた
「いったい何なんだ?今のは。」
「ですから、落ち気味のシュートですよ。」
「そんなことは、見りゃ分かる。どうやって投げたんだ?」
「よくわかんないんですけど、シュートだけはホームベースのちょっと手前ぐらいで回転が、弱くなるんですよ。それで落ちるんだと思います。」
自分でも、あまり分かっていないような感じだったので、赤城はそれ以上は聞いても無駄だと思った
「まぁいいか、今ので変化はわかった。何とか受けることも出来そうだ。」
「なんかあれですよね。小松さんのスライダーと正反対ですよねw」
「えっ?」
−言われてみれば・・・・。
小松さんのスライダーは、本来持つスライダーのノビを上回っていたため、あんな変化をした
速く、回転数が多くなるためカットボールのような速さの球が来たんだ。
それに比べて、御鳥の球は・・・
シュートにしてはあまり速くなかったし、キレがいいというわけでもない
シュートらしからぬシュートと言う感じか・・・。
そのため、少し落ちたということなのか・・・?−
「・・・城さん!!」
「あぁ、すまん。すまん。」
「今は、多く投げることが先決ですよ!!」
「そうだったな。じゃあ、続けるぞ。」
その頃・・・
「ットライーク!!バッターアウト!!チェンジ!!」
「ちっ、御鳥のために少し粘りたかったが、簡単にはそうさせてくれねぇか・・・。」
「う〜ん・・・。本重は何とか出塁してはくれたが、そのあとは2球で追い込まれてゲッツー・・・。そして、三球三振。」
「すいません、小松さん。」
「仕方ないさ、赤城たちを呼んできてくれ。」
「はい。」
ブルペン・・・
「お〜い、そろそろ頼むぞ。」
「はい!!」
<代打で入りました本重が9番センター、センター栗原がライト。ライトの十勝に変わり、7番ピッチャー御鳥・・・。>
−一度は失った夢・・・。
今度こそ、絶対手にしてみせる!!自分のために・・・、そしてあいつのためにも・・・。−
「赤城さん!!気合入れていきますよ!!」
「あぁ!!、全力で来い!!!」
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