第15話 帰宅
「1週間ぶりぐらいか・・・。」
煉矢はバスを待っていた・・・
ちょうど、一週間前に桜と別れた場所である
「どうしてっかなぁ・・・。
あの日から連絡してねぇからなぁ・・・。」
煉矢は、そばにあったちょうどいい大きさの石に腰をかけた
「まっ、桜がうまいこといってくれてるだろ。」
独り言を言ってる、煉矢のもとにバスが来た
「あっ、あんときのおっちゃんじゃない?」
「えっ?あぁ、あのときの子かい?」
「そうそう!!」
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「へぇ〜、さっきのところにそんなのがあるの・・・。」
「あぁ。俺もてっきりうそかと思ったんだけど。おどろいたよ。」
客が自分しかいないということもあり、煉矢は運転手と他愛もない話をしていた
「おっと、ここだ。おっちゃん、ありがとね。」
「おぉ、そうか。じゃあまたな。」
そういって、煉矢はバスを降り、久しぶりに都会の地に足をつけた
「ん・・・。」
左肩に掛けていたセカンドバッグを下ろし
軽く伸びをした
−ずっと、ドームの中だったからな・・・。−
「久しぶりに、太陽の光を浴びた気分だぜ。」
そんな独り言をいいながら、家まで送ってもらうタクシーを捜していた
バスでも十分戻れるのだが、行きは桜についてきたといった感じであったため、いまいち自分のいる位置も理解できていなかった
「おっ、タクシーだ!!」
道路のそばまで行き手を上げる
行き先・・・というか、自分の家の住所を告げ・・・タクシーに乗り込んだ・・・
1時間後・・・
「ぐがががっ・・・・。」
煉矢ものすごいいびきを立てて寝ていた
1週間ほどの出来事ではあったが
やはり、大好きな野球を思いっきりできることが煉矢を元気にし、それに比例し疲れていた
「お客さん、着きましたよ。」
運転手はおもむろにそういった
「ん・・・。ふぁ〜〜あ・・・。あっ、ども。」
タクシーを降り、久しぶりの我が家に足を踏み入れるのであった
「今帰ったよ。」
玄関で腰を降ろし、荷物を置き、靴を脱ぎながらそういった
すると、置くからひょっこり顔を出した煉矢の母が、
「ちょっと、あんたいったいどこいってたの!?」
煉矢の予想通りの言葉が降りかかってきた
荷物はそこに置いたままで、リビングに向かいながら煉矢はこういった
「桜に何も聞いてないの?」
そのまま、ソファーに倒れる
「一応聞いたけど、詳しくはよく分からないっていってたから・・・。」
うつ伏せになった煉矢の前に立ち、多少不安げに母はそういった
「あとでちゃんと説明するって。今はちょっと疲れてるから明日にしてくんない?」
「わかったわ。じゃあ、お風呂にだけ入って今日は寝なさい。」
「あぁ。」
そして、煉矢は眠りに着いた
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