18話 旅立ち
5時に家を出た・・・
はずだったが、やはり慣れないこともありかなり迷ってしまった
最寄の駅に向かい、始発から数本後に電車に乗り込む
ここまでは、問題なかった
「えっと、たしか降りるのは・・・っと・・・。」
まだ朝が早いということもあり、席はずいぶん空いていた
乗り込んで、車両の一番端の席に腰を下ろし、荷物を横に置いた
そして、降りる駅を確認していた
「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・。13個目か・・・。ふぅ・・・。」
降りる駅までの数を確認し、一息ついた
−今日からしばらく、日本ともともお別れか・・・。
まさか、こんなことになるとはな・・・。−
少し、昔のことを思い出していた
小中と、近所のリトル、シニアでプレーし、高校には推薦で入った・・・。
1年の夏にはもうベンチ入りし、秋の選抜甲子園予選大会では10番
その翌年の夏にはエースナンバーをつけていた
そして、3年の春に選抜甲子園出場を果たす・・・
そのときに、ケガを負った
−よくよく考えると、あの怪我がなかったら今ここにはいないんだろうな・・・・。
不幸中の幸い・・・ってやつかな・・・。−
「みんな、来るのかな・・・。」
やはり、日本から離れるわけだし、簡単に決めれることではないだろう・・・
「次は・・・・・・。」
車内アナウンスが、目的の駅の名前を告げる・・・。
「おっ、着いたみたいだ・・・。」
荷物を左肩に背負い、席を立ち、電車が止まるのを待った
そして、止まりドアが開く・・・
「うっし、到着・・・じゃないんだよな・・・。」
目的地は空港
その駅から、バスに乗らなければならなかった
「えっと・・・、確かバスは・・・。」
再度、確認する・・・
−なんか、いちいち確認するのが悲しくなるな・・・。ははっ−
とりあえず、指定されたバスが来る場所まで足を動かした
「はぁ、さすがにこんだけ荷物背負ってるとしんどいな・・・。」
煉矢の肩には、いつ帰ってくるか知れないということもあり
ものすごい量の荷物が、かかっていた
おそらく、本来の目的である「野球」に関係のある道具は、10分の1くらいのものだ
「おっと、ここだ。次のバスは・・・・・・、3分後か。」
とりあえず、その場に荷物を置いた、いや、落とした
「なんとか、無事につけそうだな・・・。」
桜がそばにいなくなって始めて、助かっていたことを気づかされるのだった
そしてバスが着き、乗り込んだ
「やっぱり、あんま人いねぇな・・・。」
バスが進むにつれ、煉矢の視界に飛行機が見え始める
大きく見える飛行機が徐々に小さくなっていったり
小さかった飛行機が、見る見る大きくなっていったり・・・
「うっひゃー、飛行機をこんなに近くで見んのははじめてだぜ・・・。」
そうして、バスは空港に着いた
お金を払い、バスを降りた
辺りを見回すと、同じような格好をしている人たちを見つけ、そこに向かった
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