第3話 新たな希望
−あれから、1週間過ぎた・・・。
俺にとって、いったい野球って何なんだろうか・・・。−
トゥルルルル・・・。
煉矢の携帯電話の着信音
トゥルルルルル・・・。・・・・・。
カチャ
留守電機能が起動した
「もしもし、煉矢?私だけど、どっかいってるのかな。このまえ話した、野球のポスターの件、明日だからね。
私、現地で待ってるからね。私、煉矢がもう一度マウンドに立つところを見たいから。
信じてるからね・・・、煉矢。」
「・・・。」
煉矢の中に、いろいろな思いが駆け巡った
どうして、野球をやっていたのか・・・
何のために、頑張ったのか・・・
<れんや。さくら、れんやがやきゅうやってるのみるの、だいすきなんだ!>
「桜・・・。」
−俺は、今まで何をやっていたんだ・・・。
あんなに俺のことを・・・、俺が野球をやってるのを喜んでくれるやつがいるってのに
俺は・・・、俺は・・・−
煉矢の目から、涙があふれてきた
何度拭いても、その涙は止まらなかった
そして、煉矢の気持ちは、一つにつながった
−桜・・・、ありがとう。
俺、もう一度やってみるよ・・・。−
・
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そして、次の日の朝・・・
「煉矢ー。あんた今日どっか行くんじゃないのー?」
台所から、母の声が聞こえてくる
「う〜・・・。ん?・・・。」
3秒ほど沈黙した
「うわーーーーーー!!!!遅れるーーーー!!!」
治ったばかりの足をいたわりもせず、ベットから飛び降り
パンをくわえて出て行った
「やっぱ、来ないのかな・・・。
気持ちわからなくはないけどな・・・。あのときの雰囲気は結構重かったからな〜。」
と、パッと目をやった先に、見覚えのある姿が、目に入った
その姿が、徐々に大きくなってくる
「いやー、わりぃわりぃ〜。寝過ごしちゃって。」
「れんや?煉矢なのね!やっぱりきてくれたんだ!!よかった〜。よかったよ〜。」
桜は涙目になっていた
「おいおい、泣くなよ。さぁ行こうぜ!」
「うん!」
「それとサンキューな・・・。」
「え?なに?聞こえなかったよ。」
「なんでもねぇよ。」
「もぅ!なんなのよ!!」
こうして、御鳥 煉矢の第2の野球人生が始まろうとしていた
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