第6話 ここに集まったやつらは
「おっ、二人来たか・・・。まぁ、今回はこのくらいか・・・。」
総監督らしき人が、そういった
煉矢は一通り、周りの顔を確認した
−あれはたしか・・・飛騨高の早瀬。あいつも来てたのか・・・。
あっ、あっちは確かテレビで見たことある人だ・・・えっと・・・。−
「大学野球からの日本代表、神藤 明道(しんどう あきみち)。」
「えっ?」
「今奴のほうを見て悩んでただろ?」
「え、えぇ。」
−そうだよ!!だからどっかで見たことあると思ったんだよ俺。
たしか、ドラフト1位は確実、とか言われたんだよな・・・。どうしたんだろう・・・。−
他にも数名、煉矢が知っているものがいた
その面々は、インターネットで宣伝していただけあって、ピンからキリまでいた
甲子園予選の初戦で戦った者から、社会人野球の有名選手までさまざまである
−1,2,3・・・。ざっと見て25人か・・・。−
今回の集まりがどういうものか理解していなかったため、ざっと人数を数えても、どうということはなかった
そして、おもむろに総監督かと思われる人が、話し始めた
「えぇ・・・、まずはじめにとりあえずお前達は運が良かった
たまたま、インターネットで募集していたのを見たのだからな。
自分で見たものや、教えてもらった者さまざまだと思うが、一つ理解しておけ!
はっきり言うが、ここにいるのは凄いやつばかりではない、運がいいだけのやつだ
逆に言えば、うまいやつなんていないかもしれないということだ。」
さらに話は続く
「まぁ、そんなことはどうでもいい。
とりあえず、今回の募集したこの集まりについて少し説明しておく、知りたいものがほとんどであろうからな。
まず1つ、ここにいるやつはだいたいそれなりに自分の野球に自身を持っているやつがほとんどであると思う
そうでなければ、こんな見るからに怪しい集まりに来るわけはないからな。
そして、2つ、どんなにうまいやつがいても、プロにはいけなかったやつらだ。
たかが知れていると、いうことだ。
うぬぼれることだけはやめておけ、見苦しいだけだ。
もし、決まっていたが、怪我をしていたから断られたとか言うやつも少なからずいるかもしれない。
それは、それで自己管理が行き届いていないことの証明にもなるわけだ。
最後に3つ目、要するに俺は、惜しくもドラフトにかからなかったやつや怪我していて断られたやつ、はたまた、まだ諦め切れないやつに、もう一度トライする機会を与えてやろうといっているんだ。
回りくどい言い方をしたが、要するに、
俺が用意してやった機会を利用して、もう一度夢にチャレンジさせてやろうといっているんだ。
もちろん、〜してもらうのはいやだとか、もうそんなものに興味はないとかいうやつは、帰ってくれてかまわん。
そうこれから先は、やるやらないはお前達の自由。そういうことだ、わかったか?」
集まった面々は、その話をじっと聞いていた
これから先どうのこうのということは、わからないが
現時点で、帰ろうというやつはいないだろうと、煉矢は思った
「では早速だが、お前達の野球能力を見せてもらう。
そうだな、とりあえず自分がやってきたポジション別に分かれてもらう・・・。
それじゃあ、投手はここだ。
それから捕手、内野手、外野手の順に、横に並べ!!」
そして、ぞろぞろ動き出した
もちろん、煉矢は投手のところへ
さっき、知り合った赤木は捕手らしい、隣の列にいた
「おっ、御鳥は投手だったのか。」
「えぇ。はじめは野手だったんですが、中学のときに顧問の勧めで、投手になってから、ずっとやってます。」
「そうだったのか・・・。」
「赤木さんこそ、捕手ってのはちょっと、驚きでしたよ。
ぱっと見て、外野あたりかなと思ってたんですが・・・。」
「俺はずっと、捕手だ。野球を始めた、小学生のときからな。」
「じゃあ、バッテリー組むかもしれませんね。お互い頑張りましょう!!」
「そうだな。頑張ろう!!」
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