第７話　三つ巴


「投手が６人、捕手が３人、内野手が１３人、外野手が８人か・・・。
えらいうまいこと、分かれてるな・・・。」

総監督は何かやろうとしていたが
何をやろうとしているのかは、煉矢にはわからなかった

−野球の能力を見せてもらうとか言ってたけど・・・、体力テストみたいなのでもやんのかな？−

「なぁ、お前確かの御鳥だよな？」

後ろにいたやつが、煉矢に話しかけてきた

「あぁ、そうだけど・・・。えっと・・・、君は・・・。」

煉矢には、覚えがなかった
見たことがあるような気もするが・・・
と、いう感じであった

「覚えてないのも無理はないか・・・。香取真一だ・・・。」
「香取？・・・・！？香取ってあの香取か！？」
「そうだよ、その香取だよ。」

香取真一
リトルのときに、県大会の決勝で戦った戦友である

「あの時は、お前に打たれて負けたんだよな・・・。
この列にいるって事は投手なのか？
「あぁ、中学のときにね、転向したんだ。」
「そうだったのか・・・。俺は実は、父さんの仕事の都合で、アメリカに行ってたんだ。
で、つい最近戻ってきてね。当然、プロ野球なんてあきらめていたけど、インターネットでこの集まりを知ってね。
トレーニング自体は続けていたから、やってみようと思って、ここに来たんだよ。」
「へぇ〜、アメリカか・・・。なんかかっこいいじゃん！」

二人の話は弾んでいたが
総監督の声で話は止まる

「じゃあ、３チームに分かれて試合を行う。投手と捕手はじゃんけんでもして三つに分かれてくれ
内、外野は、とりあえず希望ポジションに分かれてくれ、ばらつきはサブで守れるやつに悪いがやってもらうことになる。」

そう聞いて二人はお互いの顔を見合わせた

「じゃあ、俺らいきなり勝負かもな。」
「あぁ、楽しみだ。負けないぜ！！」

そういって、じゃんけんをし３チームにわかれた

「あっ、赤城さん一緒なんですね。」
「そうらしいな。早速お前の球を受けることが出来るかもしれんな。」
「えっと、もう一人のピッチャーの人は・・・。」

そういって、煉矢は辺りを見回す
周りはやはり、年上ばかりのようだ
高校生は、煉矢とさっきの香取、そして煉矢の知る早瀬だけらしかった

「俺だよ、ボーズ。」

そう、煉矢の後にいた男が声をかけた
年はそこそこいっている
２８、もしくは３０だいかもしれない、そんな感じの男だった

「僕は、御鳥　煉矢です。よろしくお願いします。」
「俺は、小松だ。よろしく頼むな。」
「じゃあ、先発は小松さん、お願いできますか？」

赤城がそういった

「あぁ、かまわんよ。えっと・・・。」
「キャッチャーをやらせていただきます、赤城です、よろしく。」
「よろしく、赤城君。」

そして、それぞれは自己紹介をした

「じゃあ、打順とかはどうしましょうか？守備位置は決まってますし・・・。」

煉矢は、早く試合がしたくて、うずうずしていた
自分がつい最近まで自分が怪我をしていたことをすっかり忘れていた

「じゃあ、くどくど言ってもしゃあないから、守備位置順に打つってのはどうや？
ピッチャーは最後で、キャッチャーはその前ということにして・・・。かまへんか？」

「僕は、ベンチスタートですから、全然かまいませんよ。」
「自分もかまいません。皆さんいいですか？」

首を横に振るものはいなかった

「でも、一人余りますよ。野手が９人います。」
「そうだなぁ・・・。」
「じゃあ、僕も御鳥君とベンチにいますよ。」

そう一人の男が言った

「おそらく、僕が一番下手でしょうし・・・。」
「そうか。わかった、じゃあ決まりだ。でもなぁ本重、そんなに謙遜することあらへんで・・・。」
「えっ？どうして・・・。」
「じゃあ、オーダー表を渡してきます。」

そういって、赤城が総監督のもとへ向かう

〜オーダー表〜
ついでに、軽い経歴

「それじゃあ、まずはＡチーム（煉矢たちはＡ）対Ｂチームだ。審判は私が行う。」

「しまーす！！！」

・・・ベンチ

「本重さんでしたっけ？」
「あっ、あぁ。何かな？」
「あの、小松って人、知り合いなんですか？小松さんは知ってそうな言いかたしてましたが・・・。」
「僕は、覚えがないんだよ。でも、だいぶ前にあったことがあるような気もするんだが・・・。」
「そうですか・・・。」
「おっと、そんなことより応援応援！！」
「そうですね！！」

そうして、紅白戦的な試合が始まった

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