第9話 メジャーリーガー
「アウト!!チェンジ!!」
−コースは甘かったように見えたけど、何か変化したのかな・・・−
「おそらくSFF、シュートに加え、さっきにはカットボールだと思います。」
ベンチに戻って来た広瀬はそういった
「カットボールか・・・。やはりこの試合厳しくなりそうだな。」
小松は、グローブを手でたたきそういった
「さぁ、守り!!頑張っていきましょう!!」
「おぅ!!」
相手ピッチャーはアマチュア界最高投手
皆それを知っているのか、すでに一致団結していた
「アマチュア界最高投手か・・・。どんな球なんだろ?早く打席に立ってみたよなぁ・・・。」
「御鳥君は、ピッチャーじゃないのかい?」
「えぇ、まぁそうなんですけど。高校の野球部では一応、中軸打ってたもんで。」
「へぇ・・・。」
そうこうしているうちに守備は始まっていた
−やはり攻撃面でも注意なのはやはり、神藤。それに・・・・おっ、あいつは!?−
−1,2番は知らないが、3番の鬣(たてがみ)は注意しないとな・・・。−
大学、社会人野球に詳しい、赤城が知らないというだけあり1、2番は難なく抑えていた
<三番、ショート・・・鬣・・・>
−小松さん、こいつはちょっと注意して攻めて行きましょう・・・−
−了解・・・。−
初球外角に少しはずしたストレートを投じる・・・
「ボール!!」
−さすがに、目はいいか・・・。つぎは・・・−
インローにグローブを構える・・・。
シュッ!!
シャー!!!!!
キーン!!
「レフト!!!」
少しの迷いもないというそのスイングは、ファーストストライクから積極的に振っていった
そして、打球はレフトへ飛んでいく
「コースは悪くなかったがな・・・。」
レフト霧橋がボールを追うが、手前に落ちた
「フェア!!」
「ほう・・・。−さすが、赤城が注意といったバッターというところか・・・−」
<四番、ピッチャー神藤>
−ランナー一塁、バッター神藤か・・・。まぁ、焦ることはないか、まだ初回やしな。−
−分かりました。では−
赤城はアウトコース低めに構える
シュッ!!
<ットライーク!!>
そして、ボールをはさんでストライクを取り、追い込んだ
「小松さんでしたね、そんななまくらストレートはいいですから、あれを投げてくださいよ。」
「なんだと!?」
−あれっ?なんだ、あれって・・・。−
「ほほぅ、俺を知ってくれているとは光栄だな。」
「たまたま耳にしただけですけどね。単身アメリカに移り、メジャーで活躍していた選手がここに来ると・・・。」
「えっ!?小松さんがメジャーリーガー!?」
「結構秘密にしていたんだがな・・・。ばれてたかw」
「さぁ、投げてくださいよ。メジャーリーガーをも手玉に取っていたと言う、超高速からのスライダー{飛燕}を・・・。」
−超高速スライダー飛燕!?−
「ほぅ、そんなことまで知っているのか・・・。じゃあ、しかたない。放ってやるよ。」
「いいんですか!?」
「かまわんよ、赤城。ただ、初見で受けるのは難しいと思うから、構えたところに放る。」
「さすがですね。その針の穴をも通すとまで言われているコントロールがあってこその超高速スライダーですからね。楽しみです。」
そして、赤城はさっきと同じアウトコースに構える
−なんなんだ?この人たち・・・。−
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